犬の肝のう胞
柴犬の症例です(オス12歳去勢済み)。
他院からの手術支援のため、当院に来院。
超音波検査にて肝臓癌と診断されていたが、当院にてCT検査を実施したところ内側左葉および胆管派生による肝のう胞と診断した。また内側左葉であったため、さらには大きな血管を巻き込んでいないため外科的切除が選択され、手術を実施した。
病理組織学的診断名は、胆管癌由来の多発性肝のう胞であったが、他臓器への転移は認められない現在も良好に経過している。犬における胆管癌は非常に稀であり、学術的にも症例報告数は少なく、また予後に関しても不明な点が多い。