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第33回動物臨床医学会年次大会2012

2012年11月 第33回動物臨床医学会年次大会@大阪国際会議場
演題名「フルオロキノロン系に抗菌薬に耐性を示した尿路感染症の犬の4例」
発表者 児玉孝史(松波動物病院メディカルセンター)

公益財団法人 動物臨床医学研究所が主催する動物臨床医学会年次大会で初めて発表してきました。この学会には開業医は勿論のこと、各学会の臨床系さらに基礎系に至るまで、多くの臨床獣医学に興味をお持ちの先生方が大勢参加され、活発に議論がなされていました。

今回発表させて頂いた演題は、症例検討「フルオロキノロン系に抗菌薬に耐性を示した尿路感染症の犬の4例」です。
一般臨床において比較的多く見られる尿路感染症(多くは感染性膀胱炎)の中で、特に抗菌薬(抗生物質)の効きが悪い状態の犬4例をまとめて発表させて頂きました。

学会発表
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従来、尿路感染症に対しては抗菌薬を使用することで治療を行ってきました。抗菌薬には様々種類があり、一般的に尿路系に効果の高いものを使用してきました。
近年、一般的な尿路感染症において、耐性菌(従来の抗菌薬が効かない菌)が発現している機会が増えてきています。
耐性菌に対して、効果の弱いもしくは効果の無い抗菌薬を使い続ける事で、状態は改善する事はなく、さらには状態の悪化を招く事もあります。
今回発表した内容で、尿路感染において、フルオロキノロン系の抗菌薬に耐性を示す細菌は、多剤耐性(いろいろなタイプの抗菌薬が効かない)を示すケースがほとんどである事が分かりました。
今後、感染症の薬剤耐性化はどんどん増加していく事が予想されます。さらにもっと複雑化する可能性もあります。今回の発表を通じて、早期に耐性菌を診断できるように努めることに加え、疫学調査を幅広く行い、獣医療での感染症治療に貢献して行きたいと改めて思いました。
さらには名古屋にある他の動物病院の先生とも提携し、このような情報を共有しつつ、データベースを作成し、地域での感染症管理に努めていきたいと思っております。

松波動物病院メディカルセンター 獣医師 児玉孝史