イギリスでは、14世紀頃まで野ウサギ狩りが盛んに行われ、ビーグルのようなタイプの犬たちが猟犬として用いられていました。「ビーグル」という名前の由来はいろいろで、その歌うような吠え声から、「開いたのど」という古いフランス語から名付けられたという説や、ケルク語由来説、さらには古い英語またはフランス語の「小さい」という語からきた説などがあります。
馬などを使わない野ウサギ狩りでは、猟師たちは歩いて移動するのに適した猟犬が必要でした。そういう意味でも鞄のようなものに入れて持ち歩けるほど小さかったビーグルは、とても重宝されました。
19世紀頃までは、いろいろなサイズのビーグルが存在しましたが、そのなかでも絶大な人気を誇ったのが「ポケットサイズ」といわれる、体長約22.5cmほどの小さいサイズのビーグルでした。足場の悪い土地では猟師の手助けなしでは歩けないほど小柄だったのですが、女性や年配者、または体力のない人々でも一緒に狩りができ、曲がりくねったケモノ道をのんびり追跡することができるとあって絶大な支持を集めました。
アメリカで最初に「ビーグル」という名前の犬が知られるようになったのは1642年のことです。南北戦争の頃(1861〜1865年)はおもにアメリカ南部で飼われていましたが、当時はイギリスのビーグルとはあまり似ていませんでした。戦後、イギリスのビーグルが輸入されるようになり、現在のビーグルの基礎が築かれました。
日ごろの注意すること・お手入れ方法
- 毎日、ワンちゃんのボディーチェックをしましょう!目を見たり、お耳はクンクンにおいをかいで下さい!
- 犬種として「食いしん坊さん」が多い傾向にあります。正しい食生活を送りましょう。おやつの量も決めましょう!
- 食事の容器は、プラスチック製のものはやめて、ステンレスや陶器、ガラスに変えましょう。
使い終わったら、きれいに洗いましょう!
もっともペットに大切なことは食事です!
ワンちゃんのフード&サプリメントは、とてもいろいろな種類があり、どれがいいのか?何がいいのか?と、迷われることがあると思います。獣医さんがおすすめするフードとサプリメントは、安全性が高く成分もとてもいいものです。
それでも「うちの子に、合うものはあるのか?」と悩まれると思いますので、当院では獣医師がワンちゃんの体の状態に合わせてお選びいたします!
当院でおすすめするフードメーカーはヒルズとロイヤルカナンです。
病状に応じて栄養組織を組み立て、病気の治療に役立つ食事です。様々な病気の特別な要求に対応できるよう成分を調整してありますので一般のペットフードとは大きく異なります。 |
犬や猫にとって高品質(適切な種類と量の栄養、食べやすい形、好まれる香り等)な製品を一貫してイギリスで開発、フランスにて製造しています。 |
両社ともに、動物病院でしか購入ができません。原材料はあらゆる検査が行われたのちに製造されていますので、安心して与えることができます。そして嗜好性においても優れているので、あとはワンちゃんのお好み次第になると思います。
こんな病気に気をつけましょう
糖尿病
糖尿病には2つの種類があります。1つは、細胞が血中の糖分を吸収するのに欠かせないはたらきをする「インスリン」というホルモンが、膵臓から分泌されなくなることで発生する、インスリン依存性糖尿病です。このタイプの糖尿病はインスリンの量が不足する結果、細胞に吸収されなくなった糖分が血液中に過剰となってしまいます。
もう1つは、インスリンは分泌されているものの、その効き目が弱くなっているために起こるインスリン非依存性糖尿病です。このタイプの糖尿病は犬では一般的ではありませんが、メス犬の発情後期(発情期の後の約2ヵ月間)で黄体ホルモンが上昇している際、一時的に(このタイプの糖尿病に)なってしまうことがあります。
糖尿病を予防するには、適度な食事と運動を心がけ、肥満にならないように注意することが大切です。
こんな症状が出たら要注意
- 水を飲む量が増える
- 尿の量や回数が多くなる
- 食欲が増える
- もともと太っていたのに最近急に痩せてきた
- いくら食べても痩せてくる
健康的にダイエット!
食べることがとても好きな犬種でもあるので、おねだりも上手!!かわいい眼差しに負けてしまう飼い主様の気持ちは、とてもわかります!しかし、いろいろな病気を予防するには、やはり太らせてはいけません。心をグッと鬼にして、家族のみなさんのご協力のもと、減量をしましょう!
現在の体重から目標体重を設定してから、減量を始めましょう!おやつを与える場合は、1日の食事量からおやつ分として1割減らした給餌量になります。
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胃捻転
胸の深い大型犬など多く見られる病気ですが、ダックス、パグ、ビーグルさんなど、小型犬や中型犬でも見られることがあります。
胃捻転症候群を発症する明らかな原因は不明ですが、食事や水の大量摂取(早食い、一気飲み)、食後すぐの運動などが要因と考えられています。
血管を確保し、点滴などでショック症状の改善や全身状態の安定化を行うとともに、早急に外科手術によって胃の整復や固定などを行います。発見が遅れると命に関わる可能性が高くなります。
食事を1回に大量に食べさせず、食事回数を日に2〜3回にして1回の食事量を少なくします。水も一気にたくさん飲ませないように心がけ、常に新鮮な水を十分に与えるようにしましょう。また、食後や水を沢山飲んだ後はしばらく休息させ、激しい運動はさせないようにしましょう。
こんな症状が出たら要注意
- 吐こうとしているのに、何も吐けない
- よだれを大量にたらす
- 呼吸が苦しい
ほっこりコラム
A様のお宅のミックス犬、ボスくんとチビちゃんのお話です。ボスくんは、20kg前後の少し大きい子です。
ある日深夜のこと。ボスくんが、お腹が痛くて苦しんでいたところ、普段大人しいチビちゃんが、大騒ぎをしてお父さんを起こしにいったそうです。お父さんも、ボスくんの異変にすぐ気付き、病院に飛び込んでみえました。 診断は、「胃捻転」。食後などに運動をしていたわけでもなく、発症した胃捻転。発見が早く緊急手術を行えたので、ボスくんは一命を取り留めました。
それから数年後、ボスくんは、胃捻転を再発。これも、前回同様にチビちゃんが、お父さんに知らせにいき 発見されました。
お父さんは、「俺の小使いがまた減っちまったなぁ」と笑って言われていましたが、ボスくんの命の恩人だなぁとチビちゃんのことを話してくださいました。
外耳道炎
たれ耳の犬に多く、外耳道にたまった耳垢にマラセチアという真菌やブドウ球菌などの細菌が繁殖しておこります。
ビーグルさんのようなたれ耳の犬種は通気性が悪いため、適度の耳掃除が必要ですが、その時に耳道に傷をつけたりすることがあるので、綿棒での掃除はやめましょう。水浴の時に水が入り細菌繁殖の原因になる事もあります。
外耳道炎になってしまったら治療が必要です。治療を始めるとすぐに効果は現われますが、よくなったと思って早くに薬をやめてしまうと再発の原因になります。完治するまできちんと治療しましょう。
こんな症状が出たら要注意
- 耳を痒がる
- 耳を振る
- 耳ににおいや汚れがある
おすすめケアグッズ
エピオティック |
ご質問、お問い合わせなどがございましたら、お気軽におたずねください。
担当:獣 医 師 山田 浩代 アドバイザー・監 修 安藤 寛恵