ビション・フリーゼの発祥地は地中海沿岸とされ、「バーベット」という大型のウォータードッグと、白い小型犬を掛け合わせて作られたのが起源といわれています。この掛け合わせによって「バービションズ」という系統が作り出され、その後、名前が「ビション」と省略されました。
当時、ビションという系統はビション・マルチーズ、ボロネーズ、ハバニーズ、テネリフェの4種類に分けられていました。その中で、スペインの船乗りがスペイン・カナリア諸島のテネリフェ島に持ち込んだとされているテネリフェが、後のビション・フリーゼだと考えられています。その後、14世紀に、イタリアの水夫たちがテネリフェ島からイタリアへ持ち込んで以来、瞬く間に上流階級の人々から愛玩犬として注目を集めるようになりました。16世紀、フランスのイタリア侵攻後には、フランスに渡り、フランシスI世やヘンリーIII世の愛玩犬として愛されることになりました。
スペインをはじめ、ヨーロッパ各地で人気のあったビション・フリーゼですが、その後なぜか人気は停滞気味となります。ナポレオンIII世が君臨していた19世紀前半に、再度人気上昇の兆しを見せましたが、この人気は長くは続きませんでした。その後は、上流階級の愛玩犬からどこにでもいる普通の犬へと没落の一路をたどりますが、道行く人々に芸を披露したりして大道芸人たちに愛され、なんとか生き延びることとなります。
ところが、第一次世界大戦により最初の絶滅の危機に襲われることになります。数頭のビション・フリーゼを保護した兵士たちもいましたが、この犬種を絶滅から救おうという動きはほとんどありませんでした。後にやっと数人のフランス人繁殖家たちがビション・フリーゼの救済運動に乗り出し、1933年、この犬種は正式にビション・プワル・フリーゼ(巻き毛のビション)と命名されることになりました。
日ごろの注意すること・お手入れ方法
ワンちゃんのフード&サプリメントは、とてもいろいろな種類があり、どれがいいのか?何がいいのか?と、迷われることがあると思います。獣医さんがおすすめするフードとサプリメントは、安全性が高く成分もとてもいいものです。
それでも「うちの子に、合うものはあるのか?」と悩まれると思いますので、当院では獣医師がワンちゃんの体の状態に合わせてお選びいたします!
当院でおすすめするフードメーカーはヒルズとロイヤルカナンです。
病状に応じて栄養組織を組み立て、病気の治療に役立つ食事です。様々な病気の特別な要求に対応できるよう成分を調整してありますので一般のペットフードとは大きく異なります。 |
犬や猫にとって高品質(適切な種類と量の栄養、食べやすい形、好まれる香り等)な製品を一貫してイギリスで開発、フランスにて製造しています。 |
両社ともに、動物病院でしか購入ができません。原材料はあらゆる検査が行われたのちに製造されていますので、安心して与えることができます。そして嗜好性においても優れているので、あとはワンちゃんのお好み次第になると思います。
膝蓋骨脱臼
膝蓋骨脱臼は膝のお皿の骨(膝蓋骨)が正常な位置からずれてしまう病気で、小型犬は内側に、大型犬は外側にはずれることが多いとされています。
先天性の場合、膝蓋骨がはまっている骨の溝が浅いことが原因で、習慣的に脱臼するために痛みを伴わない場合もありますが、遺伝性なので繁殖はさせない方がいいでしょう。後天性では交通事故や落下などの強い衝撃から膝周囲の組織が損傷したり、骨が変形することが原因で起こることが多く、痛みや腫れを伴います。ひどければ前十字靱帯という膝の靱帯を断裂してしまう場合もあります。
治療法は膝蓋骨が正常な位置に戻るように、溝を深くする手術を行います。手術はなるべく若い年齢で、症状の軽いうちに行うのが重要です。また、フローリングなど硬くて滑りやすい床には敷物を敷くなど生活環境の工夫をした方がよいでしょう。
さらに、肥満は膝への負担が大きいので、太らせないように体重管理も必要です。手術後に関節軟骨を強化するサプリメントを与えることは補助的な治療としては効果があります。
こんな症状が出たら要注意
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外耳道炎
たれ耳の犬に多く、外耳道にたまった耳アカにマラセチアという真菌やブドウ球菌などの細菌が繁殖しておこります。
ビションはたれ耳の上、耳の中にも毛が生えやすいので通気性が悪く、外耳道炎になりやすいので特に注意が必要です。適度の耳掃除は必要ですが、その時に耳道に傷をつけたりすることがあるので、綿棒での掃除はやめましょう。水浴の時に水が入り細菌繁殖の原因になる事もあります。外耳道炎になってしまったら治療が必要です。治療を始めるとすぐに効果は現われますが、よくなったと思って早くに薬をやめてしまうと再発の原因になります。完治するまできちんと治療しましょう。
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眼
ビションに多い目の病気としては流涙症という、常に涙が溢れる病気があります。涙は上まぶたの裏にある涙腺でつくられて結膜から分泌され、目頭から鼻へと流れますが、なんらかの原因で涙管(目から鼻への涙の通り道)がつまったりすると涙の行き場がなくなり、目からあふれ出ます。涙やけの原因にもなり、常に汚れていると結膜炎などを併発しやすいので気をつけましょう。治療法は外科手術で、涙管のつまりを取り除いてあげることで治りますが、再発性です。
ビションは全身の毛が多く、目の周りにも密集しているので常に目に対して刺激があります。結膜はまぶたの裏側と眼球をつなぐ膜で、そこに炎症が起こる病気を結膜炎と言います。症状が犬の片目だけの場合の多くは毛やゴミなど物理的な原因があげられ、両目の場合は感染症などが原因で起こります。
犬によっては、気にして自分で目をこすって角膜(黒目を覆っている眼球の一番外側の膜)を傷つけ、角膜炎から潰瘍になってしまう子もいるのでエリザベスカラーで保護してあげることも大切です。
こんな症状が出たら要注意
目ヤニが出てきたら、ぬるま湯に浸したガーゼや脱脂綿で、きれいに拭いてあげましょう。目ヤニや分泌物をそのままにしておくと、目の病気の原因になってしまいます。また、目ヤニがひどい場合は、診察をお受けください。
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担当:獣 医 師 山田 浩代 アドバイザー・監 修 安藤 寛恵