猫(イエネコ)の起源は、今でもアフガニスタン、アラビア半島、北アフリカなどに分布する野生の猫、 リビアヤマネコだと言われています。
野生で単独生活を行っていた猫が人と暮らすようになったのは、今から約5000年ほど前の北アフリカ東北部の古代エジプト。ナイル川流域の肥沃な農地で穫れた小麦や大麦を蓄えていた穀物倉庫を荒らすネズミを獲物とするために、猫が倉庫の中にすみついたのがきっかけだと考えられています。
肉食の猫は、ネズミを捕まえても穀物を食べることはないので、大切な穀物を守ってくれる猫の定住は人々に歓迎されました。そして、徐々にお互いの距離を縮めて、人と一緒に生活をするイエネコになったのです。
フェニキア商人に密輸されてアジアに渡った猫たちの祖先は、中央アジアからシルクロード伝いに古代中国へ渡ったとされています。中国では、猫は穀物だけでなく、生糸の原料となる蚕のマユや、お寺の経蔵で経典をネズミの害から守るという重要な役割を与えられました。
日本へは古代中国や古代朝鮮から、仏教の伝来とともに経典を守るために猫が船に乗せられてやってきたという説が有力。また、平安時代には貴族達の間で猫がかわいがられ、9世紀末に書かれた宇多天皇の日記には、唐(中国)から伝来した黒猫を先帝から譲られたと記されています。
世界各地で猫が飼われるようになっても、人が猫に求める最大の役割は、狩猟本能を利用した「ネズミ退治」だったので、犬のようにさまざまな目的のために改良されることもありませんでした。だから、猫は今も野生的な性質を存分に残して、人々を魅了しながら一緒に暮らしているのです。
日ごろの注意すること・お手入れ方法
- 毎日、ネコちゃんのボディーチェックをしましょう!目を見たり、お耳はクンクンにおいをかいでください!
- 食事の置きっぱなしは、やめましょう。ワンちゃん同様に、朝晩と食事時間を決めましょう!
- 食事の容器は、プラスチック製のものはやめて、ステンレスや陶器、ガラスに変えましょう。
使い終わったら、きれいに洗いましょう
もっともペットに大切なことは食事です!
獣医師がお薦めするフードは「総合栄養食」です。
もちろん疾患のある場合は療法食ですが、そうでない場合は犬種や年齢によって選ぶフードが違ってきます。
動物病院で取り扱っている「総合栄養食」の条件は、
- 栄養のバランスがとれている(各栄養素の量だけでなく質も良い、毛艶が良くなる)
- 消化性が高い(高品質な蛋白質を多く使用、便が少なくなる)。
つまり、フードと水だけで他に栄養食はいらないものです。
普段から質の良いフードを与えることによってペットの健康が守られ、もし病気になったときにも療法食に切り替えやすくなります。
こんな病気に特に気をつけましょう!
腎不全
7~8歳を過ぎた、高齢の猫がかかりやすく、死の原因ともなるのが腎不全です。これは、腎臓のろ過(血液をきれいにする)機能が衰え、オシッコとして排泄されなければいけない老廃物が体内に残ってしまう病気です。非常に多く、老猫の死因のトップといえます。
腎臓は、タフな臓器で、臓器の70~80%が機能障害を起こしても、どうにか残りの腎機能を働かせてがんばることができてしまいます。そのため、初期には、かえって目立った症状が出にくく、発見が遅れがちです。つまり、症状が現れるころには、すでに腎臓機能の70~80%以上が障害を起こしているのです。
時間がたてばたつほど、病気はさらに進行していきます。一つでも、あてはまる症状があれば、早めに検査を受けましょう。
こんな症状が出たら要注意
- 水をよく飲む
- オシッコの量が多い
- 食欲不振
- 口臭がある
- よく吐く
- 体重減少