チワワのルーツは諸説ありますが、メキシコ「テチチ」先祖説が有力といわれています。 歴史をさかのぼること中南米アステカ文明時代、現在のメキシコに近い地方にある遺跡から、チワワにそっくりの犬の骨や彫刻などが多く発見されています。 この時代の豚のような小さな犬は「テチチ」と呼ばれ、現在のチワワのルーツと言われています。 アステカ文明時代の人々は、死んだ人間の魂は犬によって神の元へ導かれていくと考えていたようで、人が生前に犯した罪を犬が背負い清算してくれると信じ、人と共に葬るという風習があったそうです。 チワワの基礎はテチチと毛の無いチャイニーズ・クレステッド・ドックの交配により誕生したと言われており、19世紀半ごろ、アメリカ人がメキシコのチワワ州からその犬を持って帰って改良し、現在のチワワの容姿に近づいてきました。 初めは毛の短いスムースコートだけでしたが、のちにパピヨンやヨークシャーテリアなどとの交配が進み、ロングコートも登場しました。
日ごろの注意すること・お手入れ方法
- 毎日、ワンちゃんのボディーチェックをしましょう!目を見たり、お耳はクンクンにおいをかいでください!
- 食事の置きっぱなしは、やめましょう。朝晩と食事時間を決めましょう!
- 食事の容器は、プラスチック製のものはやめて、ステンレスや陶器、ガラスに変えましょう。
使い終わったら、きれいに洗いましょう!
もっともペットに大切なことは食事です!
獣医師がお薦めするフードは「総合栄養食」です。
もちろん疾患のある場合は療法食ですが、そうでない場合は犬種や年齢によって選ぶフードが違ってきます。
動物病院で取り扱っている「総合栄養食」の条件は、
- 栄養のバランスがとれている(各栄養素の量だけでなく質も良い、毛艶が良くなる)
- 消化性が高い(高品質な蛋白質を多く使用、便が少なくなる)。
つまり、フードと水だけで他に栄養食はいらないものです。
普段から質の良いフードを与えることによってペットの健康が守られ、もし病気になったときにも療法食に切り替えやすくなります。
こんな病気に気をつけましょう
皮膚病水頭症
水頭症は、脳の内部を循環している脳脊髄液(透き通った水のような液体)が異常に分泌されて脳内(脳室・クモ膜下腔)に溜まり、脳を圧迫してしまう病気です。先天性の奇形の場合が多く、事故やケンカなどによっての頭部の損傷や、脳腫瘍などによる経路の閉塞も原因となります。
すべてのチワワではありませんが、頭蓋骨の真ん中を指で触ると柔らかくへこみ、穴があいているように感じることがあります。これは泉門と呼ばれる部分で、水頭症はこの泉門が開いている犬がかかることが多い病気です。開いている犬のすべてが発症するとは限りませんが、不安定なことに変わりはないので、頭をぶつけたり衝撃を加えないように注意が必要です。
治療法としては内科的と外科的とありますが、どちらにしても多くの場合、完治は期待できません。
こんな症状が出たら要注意
- 頭が腫れている
- 元気がない
- ふらつく
- 同じ場所でぐるぐる回る
- 痙攣(けいれん)やてんかん発作を起こす
- ショック状態を起こす
膝蓋骨脱臼
膝蓋骨脱臼は膝のお皿の骨(膝蓋骨)が正常な位置からずれて しまう病気で、小型犬は内側に、大型犬は外側にはずれることが多いとされています。
先天性の場合、膝蓋骨がはまっている骨の溝が浅いことが原因で、習慣的に脱臼するために痛みを伴わない場合もありますが、遺伝性なので繁殖はさせない方がいいでしょう。後天性では交通事故や落下などの強い衝撃から膝周囲の組織が損傷したり、骨が変形することが原因で起こることが多く、痛みや腫れを伴います。
ひどければ前十字靱帯という膝の靱帯を断裂してしまう場合もあります。
治療法は膝蓋骨が正常な位置に戻るように、溝を深くする手術を行います。手術はなるべく若い年齢で、症状の軽いうちに行うのが重要です。また、フローリングなど硬くて滑りやすい床には敷物を敷くなど生活環境の工夫をした方がよいでしょう。さらに、肥満は膝への負担が大きいので、太らせないように体重管理も必要です。関節軟骨を強化するサプリメントを与えるのも補助的な治療としては効果があります。
こんな症状が出たら要注意
- 階段の昇り降りを嫌がる
- 腰がふらつく
- 後ろ足を引きずる
- 抱き上げると鳴く
- 突然歩けなくなる
眼の病気
眼球が突出しているチワワなどの犬種は目の病気が多いとされています。結膜はまぶたの裏側と眼球をつなぐ膜で、そこが炎症を起こすことを結膜炎と言います。症状が犬の片目だけの場合の多くは毛やゴミなど物理的な原因があげられ、両目の場合は感染症などが原因で起こります。
犬によっては、気にして自分で目をこすって角膜(黒目を覆っている眼球の一番外側の膜)を傷つけ、角膜炎から潰瘍になってしまう子もいるのでエリザベスカラーで保護してあげることも大切です。
また、チワワに多い目の病気としては流涙症という、常に涙が溢れる病気があります。涙は上まぶたの裏にある涙腺でつくられて結膜から分泌され、目頭から鼻へと流れますが、なんらかの原因で涙管(目から鼻への涙の通り道)がつまったりすると涙の行き場がなくなり、目からあふれ出ます。涙やけの原因にもなり、常に汚れていると結膜炎などを併発します。治療法は外科手術で、涙管のつまりを取り除いてあげることで治ります。
こんな症状が出たら要注意
- 目が充血している
- 涙や目ヤニが多い
- 目をこすったり気にしている
きれいにしましょう!
目ヤニが出てきたら、ぬるま湯に浸したガーゼや脱脂綿で、きれいに拭いてあげましょう。目ヤニや分泌物をそのままにしておくと、目の病気の原因になってしまいます。また、目ヤニがひどい場合は、診察をお受けください。
小さくてもしつけは大事!
チワワは小さくて可愛いいのですが、自立心が旺盛で、またなかなか勝ち気なところもあります。そのため散歩のときに他のイヌに吠えかかるときがあります。そんな時は、チワワは小さいので抱きかかえてしまうのもひとつの手ですが、抱きかかえることでより強気になってしまうこともあるので、イヌを見たら「すわれ!」や「まて!」でイヌの気持ちを落ち着かせてあげましょう。「大丈夫」などと声をかけてあげるのも効果的です。
本は買って読んでみたものの、思うようにいかないことはありませんか?「結構、簡単!私にも出来る!」と 思われたこともあると思います。簡単にいかないのが「しつけ」ですよね。 みなさんにとっても心強い味方、ドッグトレーナーがおりますので、何でもお聞きください。書籍ではわかりにくいことも、わかりやすくお教えいたします。
ドッグトレーナー 酒井結己子、藤原祐希