名古屋の動物病院 猫のケアに関する情報

病気とワクチン接種

猫を守るのはあなたです

愛猫が末長く元気に一生を送るためにあなたができる最善のこととして、一般的な猫の病気に対するワクチン接種をきちんと受けさせることがあげられます。子猫は、生後数週間は、母猫の母乳から抗体をもらうことによって病気に対する免疫力を得ます。しかしその期間が過ぎてしまったら、獣医師のアドバイスをもとに、猫を病気から守るのは飼い主です。

ワクチンはどのように働くのでしょうか?

ワクチンには、ごく微量の、弱毒化された、あるいは“死滅した”ウイルス、細菌、その他病気の原因となる微生物が含まれています。ワクチンを投与することで猫の免疫機能が刺激され、体を病気から守るための防御細胞や蛋白質(抗体)が作られます。

ワクチン接種はいつ行えばよいでしょうか?

一般的に、子猫が母猫の母乳から得る免疫力は8~9週間経過すると低下してきます。この頃が最初のワクチン接種をする時期です。通常は3~4週間間隔で、2、3回注射をします。その後は一生を通じて、定期的にワクチン接種を行います。もちろん、これはあくまでも目安ですので、あなたの愛猫に適した具体的なワクチン接種スケジュールは、獣医師に決めてもらいましょう。

どのワクチンを接種すればよいでしょうか?

多くの獣医師が接種すべきだと考えているワクチンは、最も一般的で感染力の強い病気、また、深刻な症状を引き起こすような病気を予防するものです。そのような病気として、猫汎白血球減少症、猫ウイルス性鼻気管炎、猫カリシウイルス感染症、猫クラミジア感染症、猫白血病ウイルス感染症などがあげられます。それぞれの猫の遺伝形質や、生活環境、ライフスタイルなどから、どの病気のリスクが高いかを獣医師が判断して、その他のワクチン接種を勧められる場合もあります。

猫ウイルス性鼻気管炎(猫かぜ)
人間の一般的な風邪と同様、このウイルスは上部気道に感染を起こし、猫から猫へ伝染します。感染力が強いので、愛猫が他の猫と接触する機会がある場合は、ワクチン接種を必ず受けてください。症状は、微熱、食欲不振、くしゃみ、めやに、鼻水、咳などです。特に子猫がかかりやすい病気ですが、有効な治療法が限られているため、子猫に限らず免疫のないすべての猫にとって危険な病気です。回復後も、生涯、ウイルスを持ち続けることになります。
猫カリシウイルス感染症(猫かぜ)
このウイルスも、猫の上部気道に感染を起こします。ウイルスは至るところに存在し、強い感染力を持っています。症状は、発熱、舌の水疱や潰瘍、肺炎で、症状の重さはウイルス株の種類によって軽い場合から重い場合まであります。この病気の治療も容易ではありません。いったんこの病気にかかった猫は、回復後も、他の猫への感染力を持ち続け、くしゃみやめやにが慢性化することもあります。ですから、ワクチン接種をすることが極めて重要です。

猫汎白血球減少症
猫伝染性腸炎とも呼ばれ、猫の体外で1年間も生き続けることのできる、非常に耐性の強いウイルスによって引き起こされる病気です。そのため、ほとんどの猫が一生のうち一度はこのウイルスにさらされます。免疫のない猫の感染率は90~100%と極めて高く、生命に関わる場合もあるので、必ずワクチン接種を受けてください。症状は、元気がなくなる、下痢、嘔吐、重い脱水症状、発熱です。治療は大変難しく、回復したとしても、一度感染した猫からワクチン接種をしていない他の猫に感染する可能性がありますが、幸い、ワクチンには大変高い予防効果が認められています。

猫白血病ウイルス感染症(FeLV)
猫白血病ウイルスの感染は、白血病などの癌から、免疫システムの破壊がもたらす多様な二次感染まで、深刻な健康障害を引き起こします。最初にウイルスと接触してから何カ月間も、時には何年間も、何の症状も出ないことがありますが、その間もずっと他の猫への感染は広がっています。猫のFeLV感染の有無は、検査で調べられます。あなたの愛猫が未感染で、感染した猫と接触する可能性がある場合は、命に関わるこの病気に対するワクチン接種を強くお勧めします。

猫クラミジア感染症
この細菌性の病気は猫の呼吸器疾患の15~20%を占め、複数の猫が一緒に生活している場で最もよく見られます。特に幼い子猫同士でうつりやすく、感染率も大変高い病気です。眼の粘膜の局所感染を引き起こすほか、感染が肺に及ぶこともあります。クラミジア感染症が直接接触によって人間に感染することはほとんどありません。予防にはワクチン接種をお勧めします。

その他のワクチン

あなたの愛猫の個別の事情やリスクを考慮した上で、獣医師から他の感染症に対するワクチン接種を勧められる場合もあります。例えば次のようなものがあります。

  • 猫免疫不全ウイルス感染症(FIV)は、感染した猫に深く噛まれたり、掻かれたりした場合に傷から感染し、免疫力が低下することによって様々な臓器の病気や慢性感染症を引き起こします。ワクチン接種を行うかどうかは、獣医師と相談し、病気のリスクとワクチンの効果とをよく比較検討して決めてください。

ワクチンはどれくらい効果的なのでしょうか?

あらゆる投薬治療や手術と同様に、ワクチンの効果も100%保証されているわけではありません。しかし、適切な栄養補給を行い、衛生的な環境を整えた上でワクチン接種を行えば、ペットにとって最善の病気予防策になります。さらに、深刻な病気にかかった場合にどれだけの治療費がかかり、あなたとペットがどれだけ苦しむことになるかを考えると、ワクチンによる予防は、極めて高い費用効果があると言えます。