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狂犬病予防について

狂犬病の予防接種の時期(4月~)になりました。犬を飼っている人は狂犬病のワクチンを打つことが法律で義務付けられています。狂犬病とはどんな病気なのか。なぜ狂犬病のワクチンが義務付けられているのか。今回は狂犬病についてお話します。

狂犬病は狂犬病ウィルスの感染によって引き起こされる、代表的な人獣共通感染症です。ほとんどすべての哺乳動物が感染します。狂犬病ウィルスに感染して発病すると、致死的な脳炎を引き起こすため、ほぼ100%死亡します。潜伏期1~3ヵ月と長く、発病するまでの時期はさまざま。発病すると、まず強い不安感や精神的動揺に襲われます。そして次第に痙攣が起きます。水を飲み込むことができなくなり水を怖がるように見えます。さらに進行すると高熱、幻覚、錯乱、麻痺、運動失調がみられ、時には意味不明の叫びや、犬の遠吠えにもにた叫び声をあげることもあります。やがて全身痙攣が起き、ついには昏睡状態に。そして低血圧、不整脈、呼吸不全が起こり、やがて呼吸停止、心停止して死亡します。

狂犬病の予後はきわめて不良であり、ほぼ100%死亡する恐ろしい病気です。現在までで発病し、回復した例は世界で3例といわれています。うち1例は、以前に狂犬病ワクチン接種を受けた研究者で、厳密な意味での回復例は米国での6歳男児とアルゼンチンでの45歳女性のみです。

狂犬病は人間が犬を飼い始めたころからあると思われ、最初に記録されたのは紀元前450年ごろのギリシャです。昔から世界中で恐れられている病気で、日本でも戦後までは発生がありました。1950年に狂犬病予防法が成立され、1957年には狂犬病の発生をゼロにすることができました。これには日本が島国であったこと、野生動物の間に狂犬病の流行がなかったこと、国民が狂犬病予防に協力的であったこと、などの理由が挙げられます。世界中の多くの国で発生し、日本のような狂犬病発生のない国は、いまだに数えるほどしかありません。WHOの統計によると、年間3万例以上発生しています。

狂犬病は、予防はできますが治すことができない恐ろしい病気です。狂犬病発生のない日本では、狂犬病発生をゼロに押さえることが最も望ましい予防策。狂犬病発生ゼロを続けるためには、狂犬病常在地からの狂犬病動物の侵入を防ぐことです。最近は様々な動物が輸入されています。検疫を受けていますが、検疫対象外動物や密輸入によって狂犬病感染動物が入ってくることも考えられます。侵入されても拡散しないように犬のワクチン接種率を高く維持することが必要です。

日本では半世紀近く発生がないため、狂犬病の恐ろしさが忘れ去られています。今後、日本で再発生が起きる可能性がないとは言いきれません。自分の飼っている犬が狂犬病にならないように、またそこから身近な人が感染しないようにするためにも、犬を飼っている人は狂犬病ワクチンを年に1回必ず打ちましょう。

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