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外耳道炎

松波動物病院(本院) 獣医師
ベッツアニマルクリニック瀬戸 非常勤獣医師
    柴田 裕美

夏、ジメジメとした暑い日が続きます。こうした高温多湿の環境になると起こりやすい疾患として、外耳炎があります。犬猫の外耳炎は、非常に多い疾患の一つです。
病院の検診で偶然発見される軽度のものから、耳がただれ、強烈な痒みを伴い、夜も寝られないほど重度のものまで様々です。早期に発見し、治療すれば良い経過をたどりますが、放置しておくと慢性化し、治りづらくなります。

症状としては、耳を痒がる、頭を頻繁にふる、耳がくさい、黒や茶褐色の耳垢がついている、耳の中が赤い、首を傾けているなど、様々です。どれか一つでも当てはまるようなら、病院でチェックを受けることをおすすめします。

原因の中で、最も多いのが酵母様真菌(マラセチア菌)の繁殖によるもので、酵母性外耳道炎と呼ばれます。湿っぽい黒褐色の汚れと独特の発酵臭を伴います。このマラセチア菌は、もともと健康な犬猫の体に普通に常在する菌ですが、いろいろな要因で、異常に繁殖しすぎると病気を引き起こしてしまいます。

マラセチア菌は、脂分を好み、高温多湿の環境で活発に増殖します。ですから、皮脂の分泌の盛んな品種(コッカーやシーズーなど)や垂れ耳の品種は通気性の悪くマラセチア菌が増殖しやすいといえます。この酵母性外耳道炎が悪化すると、そこに細菌が二次感染し、細菌性外耳道炎に移行してしまうことがあります。ここまでくると、耳道内は腫れて狭くなり、粘膜は爛れ、耳を触ると痛がります。また、強烈な腐敗臭を伴います。

治療は、抗菌剤の点耳が主体になります。早めに治療をしてあげると、ほとんどの場合がきちんと治癒しますが、体質や耳の形状は変わらないので、油断するとすぐ再発してしまいます。

そのほかの原因としては、耳カイセン(耳ダニ)症といって、耳の中にダニの一種が寄生し、激しい痒みを引き起こすことがあります。耳の中には、黒っぽい乾燥した汚れがみられます。仔犬や子猫、ノラ猫などによくみられることがあります。この耳ダニは、他の犬や猫に感染しますので、注意が必要です。

それ以外には、耳道内の腫瘤や異物による閉塞、耳そうじのしすぎが原因になっていることもあります。

健康な犬や猫の耳垢は、ほとんどありません。定期的に耳垢の量や色などをチェックして耳垢が目立つようなら早めに動物病医院で治療をしてあげましょう。また、耳毛の多い子は、定期的に美容室か、動物病院で耳毛をぬいてもらい、通気性をよくしてあげましょう。ただ、先の固い綿棒などでのお掃除は、耳道内をかえって傷つけてしまうこともあるので気をつけてください。 垂れ耳の品種のコは 気をつけてあげましょうね。

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