帝王切開について
松波動物病院メディカルセンター
獣医師 舩渡映衣子
犬は安産の象徴と言われていますが、自然分娩が困難と判断された場合、帝王切開による出産を試みることがあります。ブルドック、パグ、ボストンテリアなどの広頭犬種やチワワ、プードルなどの小型で産子数の少ない犬種の場合は、比較的難産になる場合が多く、帝王切開による出産が必要となるかもしれません。
以下の項目に当てはまる場合は難産と診断され、獣医師による緊急処置が必要です。
- 直腸温の低下後、24時間経過しても陣痛が起こらない。
- 強い陣痛が30分以上あるが産まれない。
- 微弱で休息期の長い陣痛が4~6時間続く。
- 緑色の液体排出(胎盤剥離の徴候)
- 第一破水から2~3時間たっても産まれない。
- 母犬が激しい痛みを示す。
犬は通常、最初に交配したときから数えて58~70日目に出産します。ご自宅での出産を予定されている場合でも、予定日の1週間前には一度レントゲン検査を行って胎児の数を確認し、帝王切開になった場合にはどうするかなど獣医師と相談されることをお勧めします。
当院では出産間近の母犬がいる場合、飼い主様からのSOSのご連絡があればすぐに獣医師が対応できる体制になっておりますので、ご安心ください。